臭い!痛い!かゆい!女性ホルモン「エストロゲン」の減少がアソコに及ぼす影響、ご存知ですか?

エストロゲン減少は、閉経が原因?!

エストロゲンは、卵巣が”脳の視床下部にある下垂体から分泌される「性腺刺激ホルモン」”に反応して分泌される女性ホルモンで、その分泌によって


  • 卵胞の成熟を促進する
  • 子宮内膜を厚くすることで受精卵の着床をサポートする
  • 子宮内の頚管粘液の分泌を促し精子の移動をサポートする
  • 膣内の上皮細胞の分裂を促進する(コラーゲンの分解とブドウ糖の産出)

上記のような作用を女性のカラダにもたらしています。

ところが、卵巣の機能が低下してしまうと、エストロゲンは分泌されなくなる性質をもっています。

卵巣の機能低下は、状態によって

  • 無月経:月経が3ヶ月以上無い状態(再開可能)
  • 早期閉経:閉経になる平均年齢以下で早期の閉経になっている状態
  • 閉経:1年以上月経が無い状態

と呼ばれることがありますが、早期閉経・閉経は「卵巣機能が停止」した状態のことでもあり、エストロゲンの分泌も併せて停止されることになります。

 
【用語説明】閉経

エストロゲンの減少に併せて出てくる諸症状

閉経によりエストロゲンが減少すると、下記のような症状が現れるようになります。
   

膣関連

膣萎縮症 萎縮性膣炎
乾燥
炎症
性交痛
出血
かゆみ
悪臭
おりもの
感染症の罹患

尿関連

膣萎縮症 萎縮性膣炎
血尿
尿意切迫
尿漏れ

実は、上記の症状は「膣萎縮症」と呼ばれており、また萎縮によって生じる炎症に起因する「萎縮性膣炎」の症状も含まれています。


【参考情報】
エストロゲンの減少は「更年期障害」にも影響があるという研究結果が発表されており、エストロゲンに起因した諸症状は膣萎縮症のみならず数多くあることがよくわかります。

更年期障害については、Asoko.jp 用語説明集「更年期障害」にて詳細説明をしておりますので、ご参考ください。


では、同時に症状がでやすい「萎縮性膣炎」とはどんなものなのでしょうか?

膣の萎縮で症状が拡大・・・「萎縮性膣炎」ってなに?

エストロゲンの減少によってコラーゲンが少なくなると、膣壁(ちつへき)が薄くなってしまう「膣萎縮症」という症状になってしまいます。

【用語説明】
膣壁(ちつへきとは)、子宮と体外を結ぶ管状の器官である膣(ちつ)内のひだ状の壁のことを指す。 膣内には様々な細菌が存在しているが、その中でも常在菌である「デーデルライン桿菌」が有名。 当該常在菌のおかげで膣内の健康バランスを保つことができている。 
膣壁には、卵巣から分泌される卵胞ホルモンによってグリコーゲンが蓄積されるようになっているが、常在菌のデーデルライン桿菌がグリコーゲンを分解することで乳酸を生成しており、この乳酸により膣内は酸性(pH4.5前後)に保つことができている。

萎縮性膣炎は、別名「老人性膣炎」とも呼ばれていますが、これらは膣萎縮による膣内の炎症のことを意味しており、米国家庭医学会(AAFP)の調査では閉経した女性の約40%は萎縮性膣炎に罹患していると発表されています。

では、なぜ膣内で炎症がおきてしまうのでしょうか?

それを知るためには、エストロゲンとグリコーゲン、そしてデーデルライン桿菌(でーでるらいんかんきん)の役割を理解する必要があります。

エストロゲンとグリコーゲンの関係

膣内の襞(ひだ)である「膣壁(ちつへき)」には、膣上皮細胞と呼ばれる細胞が存在しており当該細胞には体内の様々な燃料源となるグリコーゲンが蓄積されています。

エストロゲンは、このグリコーゲンを含んでいる膣上皮細胞の分裂を促進する役割を持っており、糖化酵素によりグリコーゲンを分解、ブドウ糖を産出させることができるようになっています。

膣内環境とグリコーゲンの役割

膣内は、デーデルライン桿菌(Doderlein bacillus)という常在菌の活躍により、酸性の状態を保つことができています。

酸性とは、おおむねpH4.5前後の状態を指しますが、この「酸性」であることによって、膣内の細菌の増殖が抑制されていることはあまり知られていません。



膣内を酸性に保つことで自浄作用が働く

デーデルライン桿菌が膣内を「酸性」に保つにあたっては、グリコーゲンの分解によって産出されたブドウ糖を餌にして、「乳酸」を生成し酸性を保つことができています(【膣の自浄作用】とよく呼ばれています)。

つまり、このことは、ブドウ糖が無いとデーデルライン桿菌は乳酸を産出できず、膣内を酸性に保つことができないことを意味します。

さらに言えば、ブドウ糖はエストロゲンが膣壁上皮細胞中のグリコーゲンを分解することによって生じるものでもあるため、エストロゲンが減少してしまうと



【図解】

上記のような流れが生じることになり、最終的に膣内を酸性に保てないことに起因して、細菌が膣内で増殖することになってしまいます。

ここまでくると、冒頭でご紹介した

  • 性交痛
  • 出血
  • かゆみ
  • 悪臭
  • おりもの

上記症状がアソコから出てくるのも合点がいくかもしれませんね。

つまるところ、細菌が増えて炎症が起きてしまうということが問題なのです!

Asoko.jpでは、膣萎縮症(萎縮性膣炎)に罹っているかどうかを確認するチェックリストを提供しています。また、併せて一般的な治療法の概要なども、当サイトコラム『【2人に1人?!】閉経後の女性を悩ます「膣萎縮症」・・・その時カラダに一体なにが?』に掲載しておりますので、ぜひご参考ください。


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